挫折

友達が学校をやめた。クラスで一番仲が良かった友達が。
今、電話がかかってきて、第一声が
「もしもし。俺、学校やめた」
冗談を言うやつじゃないから、本当に耳を疑った。クラスの男の中では一番やる気があるように見えていて、一番やめないと思っていたのに。詳しく話しを聞くと、高校で芝居をやってた頃から、何かしら違和感というか不安というかがあって、それが勝田で一ヶ月やってもなくなることはなく芝居をやることにに面白さをあまり感じなかったらしい。本当に好きで本当に努力する人しか成功しない世界で、それをしても成功しない可能性の方が高い世界。それをちゃんと知ってるから、やめたのだと思う。でも他に目標も見つけたと言ってた。それを聞いて少しだけ安心した。
この一ヶ月、こいつが居たから、サボり癖がある俺が頑張ってこれたのだと思っている。お互い音楽が苦手だったから、一緒になって夜遅くまで公園で歌を歌っていた。次の音楽の課題も一緒に練習しようと思っていたのに。
これからたくさん見ていくことになるだろう「挫折」。一番見たくないのも、一番やってはいけないのも、この「挫折」だ。